韓国代理人が来所されました。
6月7日、康&康国際特許法律事務所より、代表弁理士 康 一宇 先生が来所されました。韓国における特許出願の動向などについて意見交換をしました。
2019年7月9日から施行される改正特許法についても説明していただきました。改正の概要は次の通り。
<特許法第65条第2項(出願公開の効果)-実施料賠償額の判断基準の変更>
改正前:「通常的に受けることのできる金額に相当する補償金の支給の支給を請求」
改正後:「合理的に受けることのできる金額に相当する補償金の支給の支給を請求」
<特許法第128条第5項(損害賠償請求権等)-実施料賠償額の判断基準の変更>
改正前:「通常的に受けることのできる金額を特許権者又は専用実施権者が被った損害額として、損害賠償を請求」
改正後:「合理的に受けることのできる金額を特許権者又は専用実施権者が被った損害額として、損害賠償を請求」
<特許法第126条の2(具体的な行為態様の提示義務)-新設>
侵害訴訟で特許権者が具体的な侵害行為を提示すれば、相手方が自身の具体的な行為態様を提示して否認するように義務を課す。
<特許法第128条第8項(損害賠償請求権等)-懲罰的損害賠償制度の新設>
特許権/専用実施権の侵害行為が「故意」的なものと認められる場合、損害として認められる金額の3倍以内で損害賠償額を定めることができる。
いずれの改正内容も権利保護をより手厚くするものです。
日本でも最近、権利者の保護を強化する動きが活発です。特許法等の一部改正法案が、3月の閣議決定を経て5月10日に可決・成立しました。訴訟制度の改善に向けて大きく動き出しています。
また、知財高裁ではこの6月、大合議判決により、損害額の推定(特許法第102条第2項)における損害額の算定基準を具体的に示しました。これも特許権者の利益を保護する内容となっています。